スクリーンマスク関連データ

スクリーンマスクの構成要素と選択のポイント

紗-選択のポイント:

一般的に耐久性・寸法精度を要求する場合にはSUSを、柔軟性を要求する場合には化繊を使います。紗の交点をめっきで固定し強度・ペーストの通過性を改善するリジダイズド加工も好評です。

乳剤-選択のポイント:

物理的な特性(解像性・硬さ・耐刷性・厚膜特性等)と、化学的な耐性(ペーストの粘度・粒径・含まれる溶剤・洗浄剤等)を考慮する必要があります。

枠-選択のポイント:

材料を大きく分けるとアルミ中空パイプとアルミ鋳物があります。選択の際は、主に強度と重量を考慮する必要が有ります。


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スクリーン一覧表

比較的良く使われるステンレス紗を表にしました。カレンダー加工品・ポリエステル・ナイロン・その他特殊な紗の在庫に関しては弊社営業にお問い合わせください。

メッシュ 線径 厚み メッシュ数
25.4㎜
線径
μm
オープニング
μm
オープニング率
メーカー紗厚(μm)
厚み範囲 カレンダー厚み範囲
100 100 210 100 100 154 37 185~205 -
120 80 170 120 80 132 39 155~170 -
150 65 130 150 65 104 38 125~135 -
165 50 105 165 50 104 46 102~108 -
180 50 100 180 50 91 42 94~100 -
200 40 83 200 40 87 47 78~84 57~79
230 35 75 230 35 75 47 72~78 65~70
250 30 60 250 30 72 50 58~62 44~59
290 20 45 290 20 68 60 42~48 29~38
325 28 64 325 28 50 41 62~66 33~60
325 23 50 325 23 55 50 48~52 35~43
325 16 35 325 16 62 63 32~38 14~33
360 16 36 360 16 55 60 33~39 15~32
380 14 33 380 14 53 62 30~36 13~30
400 23 55 400 23 41 41 53~57 24~44
400 19 39 400 19 45 49 37~41 17~38
430 13 21 430 13 46 61 20~22 11~26
500 19 42 500 19 32 39 40~44 18~38
500 16 36 500 16 35 47 34~38 15~32
640 15 34 640 15 25 39 32~36 16~31
730 13 15 730 13 22 39 14~16 13~23
900 12 15 900 12 16 33 14~16 14~22

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スクリーンの規格値について

スクリーン一覧表の見方をご説明します。


  1. メッシュ数:1インチ間の糸の本数
  2. 線径(D):糸の直径
  3. 紗厚(T):スクリーンの厚み
  4. オープニング(OP):糸と糸の距離
  5.  計算式:\(\bf{オープニング(μm)=\displaystyle\frac{ 25,400(μm) }{ {メッシュ数} } - {線径}(μm)}\)

  6. オープニング率(OPA):スクリーンの空間率
  7.  計算式:\(\bf{オープニング率(\%)=\displaystyle\frac{ オープニング^2 }{ (オープニング+{線径})^2 } \times 100}\)

  8. 透過体積(V):理論的なペーストの透過体積
  9.  計算式:\(\bf{{透過体積}(cm^3/m^2)=\displaystyle\frac{ オープニング^2 }{ (オープニング+{線径})^2 } \times {紗厚}(μm)}\)

線径(D)及びオープニング(OP)
線径(D)及びオープニング(OP)
オープニング率(OPA)
オープニング率(OPA)
透過体積(V)及び紗厚(T)
透過体積(V)及び紗厚(T)

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スクリーンのS-S特性について

スクリーンのS-S特性についてご説明します。ストレス・ストレイン、いわゆる応力・伸び曲線です。高さは強度を表し、横への広がりは伸びを示します。立ち上がりの傾きは硬さを表し、急な程、硬いスクリーンと言えます。また、タテ糸のカーブとヨコ糸のカーブを重ね合わせることで伸びの方向性を見る事が出来ます。

1.S-S曲線とは(応力-ひずみ曲線 : Stress-Strain Curve)

静的負荷を試験片に与え、破断させるJIS規格の1軸引張試験法
応力とひずみを曲線で表し、引張強さ、伸び、降伏点などを測定します
曲線の高さは強度を、横方向への広がりは伸びを示します


試験方法
JIS L 1096-1999
試験片巾:
50mm
つかみ長さ:
200mm
試験速度:
100mm/min

2.特性について

曲線の高さは強度を表し、高ければ強いといえます
スクリーンにおいては紗張り時に高テンションを得ることができます

曲線の傾きが急であることは、硬く、伸びにくいといえます
スクリーンにおいては、紗張り後、印刷後の変化を少なくすることができます

強度:
強い > 弱い
断面積:
大きい > 小さい
メッシュ数:
多い > 少ない
線径:
太い > 細い

3.弾性範囲と塑性範囲

荷重が小さいうちはそれに比例して、荷重を除くと変形も消えます

これに対して、荷重がある限度を超えると、変形量はさらに増加し、荷重を除いても元の形に戻らなくなります
この性質を「塑性」といいます

この転機の荷重を試験前の材料片の断面積で割った値を、「降伏点」といいます

材料を使用する際は、使用する材料が弾性領域を越えないようにする必要があります

また、弾性範囲内での荷重(応力σ)と伸び(ひずみε)の比例定数を「縦弾性係数 ( ヤング率 ) E 」といいます
E=σ/ε(kgf/mm2)

縦弾性係数は材料の硬さの尺度となり、大きければ伸びにくいといえます

4.実際の使用範囲は?

S-S曲線と実際のスクリーン版との相関については、紗張り機上で確認した荷重値とテンション値より相関がとれています

実際は 150~200 N/5cm の範囲で使用されていると推測されます

テンション-引っ張り試験荷重値

【備考】

一般的にメッシュ伸びは、メッシュの弾性範囲を超える力が加わったことにより起こると考えられています。逆を言えば、そのメッシュの疲労具合をS-S特性により調べることで、そのときの力を知ることも出来ます。

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スクリーンマスク用乳剤の特性データ

乳剤のラインナップ

スクリーンマスクに使用する乳剤の特性を簡単にまとめました。乳剤をお選び頂く上での参考になるよう、諸物性をグラフ化しています。

製品名 コンセプト 特徴 用途 備考
G9 耐刷性
特殊溶剤対応
TAB
バッファーコート
ヒートシール
コンデンサ
など
耐久性や特殊溶剤へ対応します
PI印刷に最適です
G22 ロングライフ
厚膜
ガスケット
PCB
など
各種厚盛り印刷やPS版にご使用下さい
G45 柔軟性 液晶シール
など
柔軟性に特化した乳剤です
G60 撥水・撥油性
高硬度皮膜
各種配線
など
滲み防止効果
ペースト抜け性改善が期待出来ます
G65 撥水・撥油性
中硬度皮膜
TAB
各種配線
など
G60の柔軟タイプです
滲み防止効果とトータルバランスを考えた乳剤です
G77 汎用性
化繊対応
ソーラー
液晶シール
ICセンサー
など
高いレベルでトータルバランスのとれた乳剤です
様々な用途でご使用いただけます
G92 厚膜 パワーインダクター
燃料電池
など
G95の柔軟タイプです
高精度な厚盛り印刷にご利用ください
G95 高解像性 微細チップ部品
(0402、0603)
高解像性と耐刷性を両立させた乳剤です

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